2020年06月25日

私の敬愛する作家 藤沢周平さんのこと


私は友人の紹介でフェイスブックの「ブックカバーチャレンジ」というコーナー?に私の好きな作家・作品を紹介しました。2020年の6月初から掲載して、第1回が高倉健さん、第2回目が中嶋 敦さん、第3回目が柚月裕子さん、第4回目に紹介したのが藤沢周平さんの作品『又蔵の火』です。
作品の中身を紹介していると長くなるので、それは割愛しますが、藤沢周平さんという方は奥ゆかしい人柄の人で、その人柄を「ブックカバーチャレンジ」でほんの僅か紹介させてもらいましたが、それでは物足りず、改めてここに載せることにしました。
ご存じの方も多いかと思いますが、藤沢周平さんは映画・テレビドラマ化された「たそがれ清兵衛」、「蝉しぐれ」、「三屋清左衛門残日録」など数々の名作品を書かれています。多くの作品の舞台になっているのは藤沢さんの郷里である山形県鶴岡市であり、藤沢作品に傾倒している私は一度はこの鶴岡市に行きたいと思っていました。
今から数年前、たまたま、東北6県の自治体の課長クラスを集めての研修会があり、その席で私は藤沢さんのファンであり、「一度、鶴岡市に行きたいと思っている」という話をしたら、たまたま参加者の中に鶴岡市の隣町の三川町から参加されていた成田さんという方がおられて、その方は研修会が終わったら、私を鶴岡市まで案内するという嬉しい申し出がありました。そして、藤沢さんが作品を執筆される際に、時々利用した鶴岡市湯田川にある九兵ヱ旅館に宿泊できるように手配したと言われます。それも藤沢さんが執筆する時に使用していた部屋に泊まれると言う。
藤沢さんは作家になる前は中学の先生をしていたが、その当時の教え子の大滝澄子さんが九兵ヱ旅館を経営しており、湯田川温泉の旅館でも格が上の旅館だという。
成田さんの案内でその九兵ヱ旅館に着くと、藤沢さんが執筆時に利用していたという部屋に通された。私は相当立派な部屋に通されると思っていたが、通された部屋は8畳?の普通の部屋であり、日当たりはあまり良くなく、外の景色もあまり見えない。本当にこの部屋を藤沢さんは利用していたのかな?と疑問に思ったが、宿の人が言うのだから信用するしかなく、そこに一泊した。

翌年、今度は庄内振興センターというところから研修を依頼されたので、再び鶴岡市に行くことになった。今度は自分で九兵ヱ旅館に電話して、部屋を確保した。 その際、昨年、藤沢さんゆかりの部屋に泊まったことは話さなかった。
研修会の前日に九兵ヱ旅館に着き、部屋に通された。今度は昨年と違って日当たりもよく、外の景色もよく見える立派な部屋であった。
そこで、案内してくれた宿の人に「実は私は昨年もこちらにお世話になったが、昨年は藤沢先生がご愛用の部屋に通されたが、どうみても今回のこの部屋の方が立派で、昨年の藤沢先生ご愛用の部屋は一段落ちるような気がしますが・・・」と遠慮がちに言うと、「その通りです。藤沢先生は自分はどんな部屋でも構わないと言われてあの部屋を使われたのです。この部屋のようないい部屋は自分にはもったいないと言われて固辞されるので、やむを得ずあの部屋を利用していただいたのです」と言う。
藤沢さんにお目にかかったことはないが、藤沢さんの作品を通じてお人柄に感服していた私はやはりそうだったのかと納得した。
藤沢さんは最初はこの旅館の一番いい部屋に通されたと思う。この旅館の大滝さんに確認したわけではないが、大滝さんは宿代のお支払のところで「先生から頂戴するわけにはいかない」と利用料金の支払いは遠慮したのではないかと思う。「そうはいかない。支払います」と藤沢さんは強く言われたと思う。「分かりました。どうしてもということであればいただきます」ということになったものの、大滝さんの請求金額は非常に低い金額だったのではないかと思う。
そこで、旅館側にご迷惑はかけまいということで二度目からは私が昨年お世話になった粗末な部屋?を選択したのではないかと勝手に想像する。当たらずといえども遠からずで、藤沢さんだったらそういった振る舞いをすると思う。
このエピソードを通じて、藤沢さんへの畏敬の念をさらに深くした。
藤沢さんの作品を読むと、藤沢さんのお人柄をほうふつさせるような主人公が登場して心が温かくなるので、ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思う
posted by 今井繁之 at 13:27| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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